借地上の建物を建て替え、契約条件変更が伴うときの注意点

借地上の建物を建て替え、契約条件変更が伴うときの注意点

長年住むことによって建物は老巧化していきますので、適宜修繕の必要があります。建物の維持管理のための修繕については、建物の所有者としての当然の権利であり義務ですので、地主の承諾は必要ありません。しかし、借地上の建物を建て替えるといった大きな工事については、地主にとっても資産管理上の影響が大きいので、契約によって制限されているのが一般的です。

借地上の建物の建て替え

借地上の建物の建て替えには、「増改築」、「再建築」、「借地条件の変更」があります。
まずは、増改築について解説をします。
借地上の建物を建て替えたいとき、契約書に増改築を制限する記載がなければ、増改築は自由です。しかし、増改築を制限するという記載があったときに、無断で増改築を行ってしまったら、契約違反で契約を解除されてしまう恐れがあります。そのため、一般的には、増改築には地主の承諾を要するといった条項が定められています。
次に再建築についてです。
借地上の建物を再建築する場合は、地主の承諾が必要です。
地主の承諾を得ずに再建築すると、借地契約が解除されるリスクがあります。
借地条件の変更を伴わない増改築や再建築については、更地価格の2~5%程度の承諾料を支払うことで、地主の承諾を得られることが多いようです。地主がどうしても承諾をしてくれないときには、地主の承諾に代わる裁判所の許可の手続きを申し立てて、裁判所の決定をもらうことで増改築ができるようになります。しかし、裁判には費用も時間もかかりますし、地主も裁判をすればほとんどの場合に許可が得られることを知っているはずなので、地主としっかり話し合うのが良いでしょう。

借地条件の変更を伴うケースとは

借地条件の変更を伴うケースとは、例えば、契約書に木造の非堅固建物を建てる条件が書かれていても、変更して鉄筋コンクリート造などの堅固建物を建てる場合などのことです。
借地契約書には、「居宅・店舗・共同住宅」といった建物の種類、「木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート」といった建物の構造、「自己使用・賃貸用・事業用」などといった建物の用途などを制限していることがよくあります。「木造建物に限る」などの制限を借地条件と呼びます。
借地条件を変更して建て替えをしたい場合にも地主の許可があれば可能ですが、ほとんどの場合に地主は承諾料を求めてきます。この場合の承諾料は、条件変更を伴わないケースよりも高額になる傾向があり、更地価格の10~15%程度が相場になっているようです。
更地価格が2,000万円ならば、15%は300万円ですので、一括で支払うには負担の大きいものとなっています。

不動産を売るという選択肢もある

借地上の建物を建て替えるときには地主の承諾が必要になりますが、金融機関等からの融資(住宅ローン等)を利用するときには、抵当権の設定に地主の承諾がいることにも注意しなければなりません。金融機関によっては、借地であっても融資をするところがありますが、その場合でも地主の承諾が必要になります。このとき、先に地主に建て替えの承諾をもらって承諾料を支払っていたら、その後に融資の承諾をもらおうとしたときに地主に断られるというトラブルが起きることがあります。建て替えの承諾と同時期に融資利用・抵当権設定の承諾をもらってから、承諾料を支払うことが重要です。
このように、建て替えには制限がついていることがほとんどであり、そのためのハードルが高いこともあります。そのようなときは、不動産を売るという選択肢があることも忘れないようにしましょう。
不動産を売却するときには、借地権を譲渡することになりますが、ほとんどの場合、地主は譲渡承諾料を要求してきます。譲渡承諾料のことを、名義変更料・名義書換料などと呼ぶこともあります。譲渡承諾料は、借地権価格の10%程度が1つの目安と言われていますが、個々の契約の状況や立地条件・用途・地域によって異なります。譲渡承諾料のことなども総合的に考慮をして、不動産を売却した方が、メリットがありそうなら検討をしてみると良いでしょう。

 

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